風と君を待つだけ

~my ordinary days vol.3~




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. スポンサー広告

ジーンズでいいんです。 :: 2009/03/17(Tue)

 先日、ちょっと型破りだった中学の担任だった理科の先生の話を書いたら、記事を読んでくれたらしい当時の同級生から「そういえばさ、理科の実験が終わったあと、残った塩で歯を磨いてたぞ!」という目撃情報が、遙か年月を越えて伝えられた。こんなエピソードは幾つあってもいい。

 そう思っているうちに、もう一つ思い出した。彼は学生時代にフットボールか何かをしていたそうで、身長は普通だったけれど体つきは確かにがっしりとしていた。汗まみれのユニフォームがいかにも似合いそうだった。それでも彼は、毎日そこそこに先生らしい服装をしようと配慮している気配が感じらた。それはそれで初々しかったけれど、ちょっぴり窮屈そうにも見えた。
 そう言えば、先日の入試業務のあと、『ジーンズにセーターを着ている試験監督がいた』ことがクレームになったらしい。私もきっと多少、価値観は逸脱系なのだろう。試験監督が必ず黒っぽいスーツを着ていなきゃ駄目だなんてステレオタイプはいったい何処からインプットされるんだろうと内心驚いたことがあったっけ。
 それはともかく、彼は「先生って、やっぱこんな感じだよな?」と言いたげなコットン・パンツにポロシャツのような格好が多かったように思う。それにしても不思議だ。当時、ジャージ姿の男性教師は一杯いたけれど、ジーンズ姿の人はそう言えば見たことはない。ジーンズが駄目で、ジャージで廊下をウロウロがOKだったのは何故だろう。それだけではない。スーツを小粋に着こなす大人も中学ではほとんど見たことがなかった。教師たる人間は地味で木訥であることが美徳だったのだろうか。それは今なおそうなのか。「生まれ持った外見や磨いた内面の資質を活かし、お洒落を楽しみ小綺麗・小粋に好きな服を着こなす、自分らしさを謳歌するという自由を持つことが君達子どもとは違う大人の証なのだ~!」などと言えばきっと大問題になるだろう。
 
 そう、話題はコットンパンツであった。彼は以前にも綴ったように常に力んで、そして大いに空回りし、子どものように呻いたり嘆いたりするとても純粋な人だった。ある日の授業中、何かを説明しようとして、ちょっと踏ん張った拍子に、ビリリっと音がして彼のお尻が割けた。いや、正しくはコットンパンツの生地が裂けて、縞々模様のパンツが丸見えになったのだ。これにはクラス中が皆、ぎゃははと大笑いである。彼はしばらく困ったような照れくさそうな顔をして手でお尻を押さえていたが、皆が笑って笑って授業にならない。とうとう着替えて登場したのだけれど、そのときもやっぱりジャージだった。ジャージにシャツは相当ちぐはぐだった。でも、あの頃、先生が予備に履くべきはジャージだったのだろう。あのとき、別にジーンズだってよかったのになと思う。無理をして、一人前の先生みたいに振る舞わなくても、ついこの間までの青春まっただ中だった等身大の彼のままで現れたら、子ども達には近しい気持ちが沸いたかもしれない。
 
 こんな風に何年も語り継がれるような印象を残す先生って、今でもあちらこちらに居るのだと思う。
 時々耳にするのは、「学校の先生なんか社会のことを何にも知らない。あんたらみたいなのはだからアカンのじゃ」といった言葉だ。どうやらこれは大学の研究者に向けても言われるものらしい。先日も友人の女性研究者がある中高年の公務員男性に似たような言葉を言われたそうだ。彼女は銀行員を経験したあと、労働領域の様々な問題に気づいて世のため、人のために研究職に就いた超努力家な人物だ。そんな風に自分は脇に置いて、誰かの問題をあげつらう人は大勢いる。「だったら、あなたが替わって立派に勤めることができると言うのですか?」

ぐにゃめぐ。 教育が「万能」だなんて誰も思っていない。むしろ、思っているほうが危険だと思う。だけれども、その可能性は決して小さくはないと思う。人が人を育てるときには間違いも含む。でも、それが全部削がれたものが本当に一番素敵なことなんだろうか。
 それは、嘘や欺瞞や絶望などが大きく渦巻くなかでも、それでも生きているってことは、それだけで何をさしおいても素敵なことなんだ、人生が捨てたものじゃないと言えるのと同じだ。そう強く信じられるように、若い人たちには「え?なに??あのひとは?」とびっくりするような人間味溢れる、あるいは奇人変人、奇天烈な様々な人々にも大勢出逢って、生きてほしい。

  1. 未分類
  2. | trackback:0
  3. | comment:2
<<小田さんが文部科学大臣賞を受賞する。 | top | やさしい日本語で書こう。>>


comment

Megちゃん、こんばんは。

ジーンズに絡めたお話、興味深く読みました。

しかし

>『ジーンズにセーターを着ている試験監督がいた』ことがクレームになったらしい

には、ビックリしたかな。

例えばさ、例えばそれを快く思っていなかったとしても、わざわざクレームする神経
ってどうなのかね。若者のくせに、それこそ人を容姿で判断してる訳だし、そもそも
「お前はそんなに暇なの?そんな暇があったら、もう少し勉強でもしたら?」って感じ。

ろくな大人になれないって言うより、ろくな子供にもなってないやん。
そんなガキは、少なくとも教育者にはなれないわな。
まぁ、意味不明に「なんとなく」発言を繰り返す人が総理大臣の国だから、仕方ないか(苦笑)

>若い人たちには「え?なに??あのひとは?」とびっくりするような人間味溢れる、あるいは
>奇人変人、奇天烈な様々な人々にも大勢出逢って、生きてほしい

そうそう、全くそうだよねぇ。
まず、あなたがですね・・・以下自制。。。

僕はいたって普通だから、力にはなれないな、残念だけど(笑)
思い当たる人は何人か知ってるけど(笑)

で、写真の君は何やってるの?(笑)
  1. 2009/03/20(Fri) 20:02:56 |
  2. URL |
  3. Sato #9xlPEuy6
  4. [ 編集 ]

Satoちゃん、こんばんは。

写真の私は、「みよ、この身体の柔らかさを!」ってアピールしてるんです^^
で、Satoちゃんはしぶしぶ写真撮りながら「こんなの使いようないじゃん」とか思ってたでしょ?
でも、こうやって使いました(笑)

>例えばそれを快く思っていなかったとしても、わざわざクレームする神経ってどうなのかね。

びっくりするかもしれないけれど、
試験監督がどうだったってクレームはとっても沢山あるんだよ。
側を歩き回るのが鬱陶しかったとか、側を通ったときにひげそりローションの匂いがいやだったとか、
監督の靴音が気になった・・・などなど、ね。

もっとも画一化しているのは若者だと気付かされる今日この頃です。

最近読んだ本のなかで、興味深い分析があったよ。
著者は哲学者だったので、何か厳密なデータを用いながら話している訳ではないけれど、こうゆう明言をしてるの。
『彼らは生まれた時から、いかなる時も「消費者」マインドで生きている。』

とすれば、彼らは常に「クレーマー」なんだね。
生徒とか学生という地位を「消費者」という地位と殆ど同じと理解している。
つまり「お客様はカミサマ」的発想に近い。

「なんでこんな勉強しなくちゃいけないんですか。これに何の意味があるんですか」と教師に当たり前のように尋ねる。
そういった問をすることが前衛的でカッコイイとすら感じている。
そして、大概の大人はその問に”即時に”応えられないことに動揺してしまう。
子どもたちは消費者がお金を出して即時的なサービスを得られるのと同じ感覚で
「これが今すぐ役に立たない」のであれば、そこから逃走するのが当然の権利だとすら考えている。
何だか唸ってしまいます・・・。

そういった事例は現場では数多くあるよ。
たとえばオープンキャンパスにやって来た生徒があまりに「大学生活を謳歌」することの意味を取り違えていたので、「大学は勉強をするところなのだ」と諭したら泣き出してしまったと。
そして、厳重注意を受けたのは諭したほうのその教員であったと。「折角お客さんが商品を見に来てくれているのに、ケチをつけるとは何事だ」という発想と同じだよね。

大学の授業を学生に評価させるシステムは殆どの大学で行われているけれども、
これも学生側に消費者マインドを植え付ける一役を買っているのかもしれないね。
(※もっとも、自己評価や他者評価は必要な営みだとは思っているよ)

たとえば授業評価では「この授業はあなたの役に立ちましたか」という項目に点数を付けさせる。
そこには「時間の経過」「学生本人の社会経験」という変数の入力はされていない。
二十歳そこそこの学生に30センチのものさしを渡して、まだまだそこらじゅうが穴だらけの世界をさぁ、計ってごらんと言う。
それによって、教員は給与が減らされるかもしれないのが現実の話なの(笑)

さぁ、これからの日本の未来はどうなるんだろうね。
  1. 2009/03/20(Fri) 23:09:28 |
  2. URL |
  3. Meg #T0ca3UNU
  4. [ 編集 ]

comment


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://megchy36.blog18.fc2.com/tb.php/620-56068aa4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。