風と君を待つだけ

~my ordinary days vol.3~




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. スポンサー広告

たしかなこと、ひとつ。 :: 2009/12/29(Tue)

 どうも、これだけは書いておかねばならない気持ちだ。
 まだ大掃除と年賀状づくりが終わっていないけれども。

 「クリスマスの約束」を観た。

 小田さんは終わったあと、「今はまだあまり何も語りたくないんだ」と言ったけれど、私はこらえきれずにすでに何人かの人々と熱くあの素敵な夜について語り合い共感しあった。だから、もう書くべきことがあまり残っていない気がしたけれど、書きはじめてみることにする。

 ========
 
 ひな壇に並ぶアーチストたちを思い出す。あのシーンと似た風景を、私は何処かで見た気がしていた。それは、よく思い出してみると、今年の夏に出向いた小学校にある音楽教室だった。子ども達が手を後ろに組み、かかとを上げ下げしてリズムを取りながら、衒いなく大きな声で「皆と一緒に歌う」という喜びと感動を謳歌していた。なかには隣の友達と手を繋ぎ合って歌っている女の子達の姿があった。根本要氏が「可憐だ」と言ってよいほど終始、タテノリで一生懸命に歌っていたせいかもしれない。
 
 私は、だんだん小田さんが「走れメロス」のメロスのように見えてきた。
 「同じ時代を生きている、同じ国のアーチストたちが互いを称え合えるような文化をつくりたい」というコンセプトは、5人のオフコースが終わったすぐあとの小田さんの「大義名分」だった。小田さんは30代後半頃だったかと思う。そして、あちこちに奔走した。でも、その試みは小田さんの言葉を借りれば「見事に挫折した」と著書にある。
 8年前にはじまったクリスマスの約束でも、沢山のアーチストたちに手紙を書いた。でも、小田さんの想いに共鳴してやって来るアーチストは一人もいなかった。あの頃の手紙にも「互いを称え合いたい」という言葉があったと思う。でも、今回の手紙の全文のどこを見ても、もう「大義名分」を語る言葉はなかった。メロスは親友を救うためにひたすら走り続けたが、最後は「何かもっと大きなもの」のために走り抜くのだ。小田さんの言う「言葉を超える何か」とそれは共鳴するものだ。
 
 強烈に印象的であったことが幾つかある。小田さんは自身の冠番組のなかで、誰よりも多くの労力を割きながら、いわば裏方仕事に徹していたこと。そして、若手のアーチストたちから発せられる多くのネガティブな言葉も受け止めて、あくまでも人々の同意のなかで作業を進めようとしていたことだ。
 あのような大曲に編集を施し、コーラス譜全体を作り上げるだけでも想像を絶する作業だったと思うが、小田さんは一人のアーチストでありながらも、あの企画全体を観とおして、着地に責任を持つことを決意した志高き船頭だった。
 「キャプテンなら草むしりもやって当然」という少年期の小田さんの純真な使命感と、長く音楽を愛してやまず、第一線にいても努力をし続けている60歳を超えた小田さんの信念が、この国の大勢の若いアーチストたちと、それを見つめる私たちに大きな贈り物をしたように思う。
 
 ステージに立った彼らは、まるで魔法をかけられたような大きな光と輝きを放ち、そして、お客さん一人一人の物語がそこに乗り移っていた。それでも、最後に残された「斉唱」では、きっとアーチストもお客さんも観ている私たちも一人残らず同じ気持ちになったのではないだろうか。なぜ、あれほどまでに小田さんはユニゾン、すなわち「斉唱」にこだわったのだろうか。そのこたえは最後の最後に分かった気がした。誰よりも一歩前に出たい強烈な個性を持つ集団のなかで、あえて誰の個性も際だたせることは求めず、ひたすらに一つの旋律をともに声を合わせて歌うこと。自分の器量のなかに誰かを受け容れて融合をすること。誰かの器量のなかに自分を招いて貰うこと。「たしかなこと」の歌詞は後半に迫るほどに痛いほどに胸に刺さり、むせび泣きたい気持ちになった。
 小田さんの描いていた夢は、たしかに私たちの皆の心の奥底にずっと在り続けるたしかなものだった。
 
========= 
 
 私たちは、同じ時を生きている。
 
 私はあの番組後にひとしきり感涙し、そのあと奇妙な行動に出た。真夜中2時をすっかり過ぎていたが、今年出逢った、ある行政の主任にパソコンから一本のメールを打った。そこに心新たにして来年からのプロジェクトに臨みたいという気持ちを熱く語った。
 小田さんがこんな風に冒頭に語ったことは、まるで自分に向けてのメッセージのように思えたのだ。
 『今年やろうとしたクリスマスの約束は、自分ひとりで準備するのはなかなか難しい。そう考えて、何人かのアーティストと、小委員会を結成しました。結成しましたと言っても、みんな本当に忙しいのに、僕が一方的にお願いしたのです。何度も集まってもらい、この企画が果たしてホントに実現できるか。とにかく、いっぱい話をして、メールを交換して、という日々が続きました。夏を迎える頃、ようやく、決行しよう!ということに、なりました。そんなわけで、この小委員会がなければ、今年のクリスマスの約束の実現は、なかったと思うのであります。』
 
 私は今年の中盤以降に、とあるプロジェクトの企画推進委員会なるものを結成した。それ以外の沢山の仕事を抱えながらも、日常の殆どは、そのプロジェクト推進のための考えや業務が、色濃く常に私を拘束した。一人でも誰かの共感を強く得たかった。でも、まだ何の信頼もないに等しい。だから私は、ものすごく大きな「大義名分」に依拠して打って出た。それでも共感してくれる人がいたのだ。
 
 すべてのことがそうだ。ときに一喜一憂し、一歩進んではまた一歩下がるような気がするときがあると思う。それでも、一生懸命に取り組もうと思った。自分がどうしたいのかもう分かる。誰か一人でも「やってくれてよかった」と言われる仕事をしたい。同時に誰かと「よかったね!」と言い合いたい。今、私は同じ時を生きている心から「仲間」と呼べる人々と出会っている途中なのかもしれない、と思った。そうして、私は自分が前に進もうとする限り、まだ「挫折」を許そうと思う。

  1. 未分類
  2. | trackback:0
  3. | comment:2
<<come on 2010 ! | top | 関西人は本当にヒョウ柄が好きかどうかは別として。>>


comment

『走れメロス』かぁ。。
ここへ来て新しい記事を読んで、そうするといつも頻りに感心してばっかりなんですよね^^

今年も残すところ後12時間程度になってしまいましたが、素晴らしいコメントをいくつもありがとうございました!
新しい年も引き続きよろしくお願いしますv-284

ではよいお年をv-481
  1. 2009/12/31(Thu) 11:51:34 |
  2. URL |
  3. yui #GYfx15Bo
  4. [ 編集 ]

yuiさん、こんにちは。

今年もお世話になりました^^

小田さんのthe flagを聞き始めた頃から、
その生き方ってまるで「武士」みたいだって思い始めたのですが、
今回はひたむきに走り続けるメロスの姿が重なってしまいました。
私のなかでは最大の「感動」の象徴です。

>素晴らしいコメントをいくつもありがとうございました

素晴らしだいなんて、またまた、そんな大げさな(笑)
こちらこそ、たまに行って他愛なく残す数少ないコメントに、
いつもとても誠実にお応えいただいてありがとうございました。

来年は小田さんツアーの情報もありますね。
また、楽しくお話しましょう★
  1. 2009/12/31(Thu) 14:07:38 |
  2. URL |
  3. Meg #T0ca3UNU
  4. [ 編集 ]

comment


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://megchy36.blog18.fc2.com/tb.php/776-2c063c57
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。