風と君を待つだけ

~my ordinary days vol.3~




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過酷を極めると笑いが止まらない。 :: 2011/01/16(Sun)

 入試委員長は、2時限目のあと、決して「クレイム」とも「苦情」とも言わず淡々と告げた。
 「皆さんのおかげで、ここまで何とか大きなミスもトラブルもなく来られました。・・・が、一つだけ、受験生からこんな声が寄せられています。」

 『試験監督の鼻息が荒い・・・と』

 近年、こうした類の生徒さまのお声は挙げればキリがない。「試験監督の足音が嫌だった」「後ろに立たれるのがいらっときた」「通ったあとに整髪剤のにおいがくさかった」

 ところで、入試監督業務は非常に重要で責任の重い仕事ではある。一方、その業務自体は多くの場合、非人間的な営みに近いと思う。決められた同じことをロボットのように繰り返し、自分では何も生み出さない退屈な時間を何とかやり過ごし、生徒たちの人いきれで殆ど酸素がうすくなりかけている部屋で頭は疲労でぼーっとして、足下は相変わらず冷たく、眠くて死んでしまいそうだ・・・と思う状況を長時間、耐える。言い過ぎかもしれないが、半ば軽い拷問のようでもある。
 唯一、人間的で柔軟な判断が要求されるのは「不測の事態」に近い出来事が生じたときである。かと言って、誰もそれを望んではいない。

 そうした長い長い時間が大過なく終わると、奇妙な連帯も生まれるというものだ。共に「闘った」教員同士が普段話したこともないのに結束が固くなったり、仲良くなったりもするのは、たいへん素敵なことだ。
 
 すべてが終わり、真っ暗な寒い寒い夜道を同世代同志で、肩をごつんとごつんとぶつけあいながら(あまりに寒いので何となくくっつきたくなる)ひーひー笑いながら研究室に戻った。
 話のネタはどうやって眠気から逃れるために努力をしたか、である。私はと言えば、根っからの計画魔なので、あれやこれをどうしてくれようかとアグレッシブに頭を働かせながら、生徒たちの背中を見守っていた。そんな目線の先には毎時間、眠っている不思議な生徒もいた。ちなみに私も同世代の2人も根っからの文系である。にも関わらず、今日の担当科目は数学が二つに、理科は三つもあったのだ!
 「ぼく、ひたすら入試問題をにらんでたんすよ。結構、地学なら出来た気がする」
 「わたしは、敢えて全くわからん物理とかの問題を観てたで!何かひらめくかもしれんと思って(笑)」

 なんて偉い人達なのだ。生徒たちが解く問題に一緒になって取り組むだなんて。私はただの一頁ですら開けなかったのに。しかし、あれだ。日本では、高校3年生の受験時における知識はひょっとすると多くの人々にとって人生史上もっとも豊かなのではないか、と思う。どう使うかは別として。そのくらいに「大学の先生でも(専門でなければ)解けない」といった問題に彼らは臨んでいるのだ。

 「ね、ほら。あれ、”鼻息が荒い”って苦情ね・・・(笑)」
 「あれだよ、寒いし、鼻が詰まってんじゃないの?」
 
 「じゃ、生徒のヨコ通るときは、しばらく呼吸止めるとか?」
 「えーっ、死んだらどうするよ?」
 「サイアク、口呼吸?(笑)」
 「口ではぁはぁ言ったら、もっと苦情になるよ。もう、あれしかない、エラ呼吸!」

もう天国に帰ります。 こうやって、ぎゃっははははと笑い転げる私たちを今日だけは、神がお許しになるでしょう。アーメン。
 そういえば入試委員長は最後も、優雅にオブラートに包んだ発言をしていた。
 「皆さん、お疲れでしょうからいち早くお帰りになりたいとは思うのですが、生徒たち、またその保護者たちの帰宅もございまして道は非常に混雑しております。どうか皆さまは・・・お時間には余裕を持ってお気を付けてお帰りになられますように」

 私はこの方を心ひっそり「”お”っつけ先生」と呼ぶことにしたが、ある意味ではかなり尊敬の念を抱いている。

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毎日の激務、お疲れ様ですv-12
Megちゃんの仕事を思うと自分の仕事のなまぬるさと言ったら・・・。
いつまでその忙しさは続くのかしら?
また何か栄養補給を送れたら・・・と思ったりしてるよ。
頑張れよ~v-91
  1. 2011/01/20(Thu) 15:40:53 |
  2. URL |
  3. mico #aEmTB4nk
  4. [ 編集 ]

micoちゃん、こんばんは。

なんて優しいお姉ちゃん!(涙)

なんか多くのひとが「めぐを飢えさせたらだめだ」と思っているのか、学校ではよく差し入れを貰います。
昨日は、「圧力鍋で炊いたもちもちご飯よ」と言って
研究室にお昼ご飯が届きました。すごい豪華!
「このひと、あんまり食べないでしょ?だから、せめて食べるものは
少しでも美味しいものを食べさせないとねー」
(→訪ねてきた学生に言うA先生。学生も「そっすねー」って・・)。

この頃、仕事の関連で、毎日山のようにメールや事務の文書などを大量に作成しており、
自宅に戻る頃にはボロぞうきん。
ここには何か笑える愉快な話を書きたいのですが、すっかりブログ更新が滞ってしまっております。

micoちゃんのお仕事だって色々な意味で、面倒くさかったり
大変だったり、ちぇって思ったり、このやろーって思ったりと
きっと私となんら変わりないと思うのよん^^

今月は入試が二回あって、その狭間に自分の公開講座をやるからね。
もう死ぬんちゃうかなって思っていたけれど
「もっと死相が出ているか、輪郭がなくなって影が薄まっとんちゃうかなって
思ったら意外と大丈夫そね」って言いながら知人が今日、訪ねて来て言ってました(笑)

micoちゃんがくださったTチョコの詰め合わせさ、
ある年長の男性教員に自慢したら
「え?なに、これー。何処に売ってるの?!ボクも欲しい(照)」って
めちゃめちゃ羨ましそうに言うの(笑)
あれって期間限定なのかなぁ。
私も誰かにちょっとお礼するときにアレあげたいわって★
  1. 2011/01/21(Fri) 00:16:53 |
  2. URL |
  3. Meg #T0ca3UNU
  4. [ 編集 ]

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