風と君を待つだけ

~my ordinary days vol.3~




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7.30 :: 2011/07/31(Sun)

 実を言えば、一曲目の歌い出しとその表情を見たとき、「あぁ、さすがに相当に疲労も募っているのでは」と思ったのだ。ツアー後半に入って、先日、連続で野外公演も終えたようだし。しかも今日は二日連続の後半。急に小田さんの体が心配になった。声が出ていない訳でもなかったのだけれど、何だかそんな心配がさーっと胸をよぎった。
 
 体も心も、「超」がつくひ弱な自分と小田さんのライブパフォーマンスを比較するほどナンセンスなことはない。ただ、ひたすら勝手に、自分が最も過酷に感じた仕事を思い出している。
 おそらく夏の集中講義。90分講義を連続5コマとか、そうした感じではないかと。集中講義の2日目の夕刻、アドレナリンは一杯出て来ている。学生がノッてくれたら尚更だ。けれど、立って話しながら頭の後ろのほうが白くなって来るのがわかる。「おやおや、三途の川ってこれか?」と思ったことがある。
 
 同じ人間として、一体何をどうやれば、あれほどまでクオリティの高く身を削るステージを毎日のように続けることが出来るのか。「彼は神の子だから」というこたえ以外で真面目に考えると、「小田さんが、見えないところで、まるきり尋常ではない努力をして頑張っているから」としか言いようがない。
 そう思うだけで胸が詰まる私は、今日この日のステージを全うするために小田さんの辛さを救えるならば、自分の寿命の一年くらいを差し出してもよいとまで、またもや勝手ながら祈った。・・・でも、終わってしまえば、あまりの圧巻である。感動の余り、天に召される寸前であったと思われる。
 
 事前に内容はリサーチしない。ワクワクしたいから、というより余裕がない。何より出向くまでが相当、しんどい。「私なんて小田さんに会う資格もない」とか人間失格のようなことを言っていたりする。だから、現場入りしてから、ものすごいパワー電力で持っていかれてスイッチオンなのだ、私は。安定剤常備である。
 
 そうやって毎回、爆発的感動に打ちひしがれるタイプの自分とは異なり、十分にセットリストもチェックの上、ひたひたと迫り来る感動を静かに受け止めるタイプのSato氏によれば、隣に立っていた私が「2度目から3度目のアンコールがはじまった瞬間、何度か垂直に浮いている瞬間があった」と証言する。
 
 確かに。
「Yes-Yes-Yes」がはじまったとき、8センチヒールのサンダルで垂直跳びを数回キメた自分に驚いた記憶はある。あれほどまでに明るく、そして力強い小田さんの歌声をさらに、がしっと支えるように、ステージ上の全員がシャウトする。普段はしとやかに弦楽器を奏でているミュージシャンも全員マイクを持っている。
 楽屋スタッフ総勢で組まれた合唱隊が絶唱する様子がスクリーンに映し出されて、巻き込まれるように客席も伴って大サビを大合唱する場面では、ぽろぽろと涙が溢れ落ちた。その僅かな重力で、私は地上に踏みとどまれたに違いない。

 今回、名古屋では聞けなかった「言葉にできない」が聞けるとは思っておらず。4人の弦楽四重奏が絡む間奏は、まさに「小田さんに負けないように心から歌っている」演奏だった。
 きっと小田さんは、この誰もが知る名曲を、何処で誰に向けて歌うときも、一度たりとて「楽に」歌ったことはないのだろうと思う。だから、これまで数え切れないくらい聞いているのに、聞くたびに魂を揺さぶるのだと思う。ぎゅっと目を閉じて全身で歌い上げるラストのロングトーン。集中のあまり、時々、私も含めてお客さんの息が留まっているのではないだろうか。そう思いながら、祈るような気持ちで数えてしまう。1拍、2拍、3拍・・・まるで誰かの命を感じるための脈を確かめるみたいに。全部で8拍。つまり2小節だ。

 3時間を超えたあと、アンコールのラストを歌う小田さんには、冒頭の心配など完全に払拭し、なお余りある漲る力を感じた。
 たった一人、アコースティックギターを構えてすくっと立つ姿は凛然。渋みとぬくもりを混ぜた中温域は語るような声。特筆すべきは、その指先でつま弾くダイナミズムあるアルペジオの演奏。
 ラストソング「君のこと」を歌いきった小田さんって、まるで剣士みたいだった。すっと刀を抜き、鮮やかな抜き胴を一本、見事に決めるた。静かに一礼をして美しく淡々と立ち去ってゆく。
 私たちをまだ夢のなかに残したまま・・・。

 今回、チケット入手において、かつてない困難を極めS席は取れず。しかし、「よい席ではなくて残念だった」などとは、これっぽっちも思わせない圧巻の演出。
 
 以前にも増して、小田さんのバンドに強い強い絆が感じられるようになっている。最後に、演奏者全員が小田さんを中央にして一列に並び、前のお客さんにぺこり、後のお客さんにぺこり、同様に左右にぺこりと一緒にお辞儀をする。その姿は、NHKの子供番組で見かける”アルゴリズム体操”のような連帯感で、微笑ましくも可愛らしい。

 今回、ツアーのバックコーラスは、半端のない覚悟で前方を守っている気がする。楽器演奏が専門のミュージシャンたちに、あそこまで本格的に歌わせるのも小田さんならでは、かもしれない。彼らを深く信頼しているか伝わってくる。 歌詞をころっと忘れても、走り回っているうちに、もう訳がわからなくなって嘘ばかり歌っていても(笑)私たちはアハハと笑ってやんやの手拍子だ。バンド人たちがしっかりとサポートしてくれているのでダイジョウブ。
 
 1stバイオリンを今回は担当していた最も若い吉田君は、お客さんを盛り上げるときの拍手の手の位置が、頭上にあって誰より最も高い。
 大きく首もとの開いたピンクのチュニックがとても似合って可愛らしかったバイオリンの得高さん。アンコールで、立ち上がって前に出てきた時に、白い首もとが楽器の跡なのか、汗でかぶれたように真っ赤になっていた。お疲れ様(涙)。
 
 お客さんも今回は何だか、とても温く気持ちがよかった。ギターの稲ぴーが、通称「中央デベソ・ステージ」から本ステージに戻って来るまでの花道は長く、てくてく早足で歩くも割と時間がかかる。ライトが追い続けている訳でもないのに、ずっと、ぱちぱちと拍手が送られ続けたっけ。照れくさそうな恐縮顔で、何度もぺこぺことお辞儀をしていた。
 
 お客さんの半分以上が会場を出たあとのこと。ステージ上で、小田さんやお客さんを走り回って撮影していたスタッフに、オンステージシートが当たった人たちから、その目前での働きぶりに感嘆したのか、感謝の拍手が送られていたことだ。カメラマンさんがこれまた深々とお辞儀をしているのが目に留まって、また小さく感動する。

 裏方さんもミュージシャンも、もちろんお客さんたちも皆の一番の「素敵」を引き出して、キラキラに輝かせる魔法。「小田さん、ありがとー、ありがとー!」と、あちらこちらで何度も鮮明に聞こえた。
 『今日もどこかでの時、小田さん、何度かぐっと来てたみたいに見えなかった?・・・』『キテた。ごまかしそうとしてたけどな(笑)』。きっぱりと言い放ったSatoさん。「天に召される寸前の人(→私)」も、小田さんのうるうるも心の目で見えるのかもしれません。
 
 この空の下に共に生まれた人たち、すべてが愛おしくなる瞬間に満ちている。
 
 次のライブ参加は、二つの講演会を続けて終えた当日だ。それまでは必ず生きのびよう。そう決めたらきっと大丈夫だ。「僕は頑張るのが大好きです」・・・私には一生言えないけれど眩しい言葉だ。   

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  1. 2011/08/02(Tue) 13:50:03 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

鍵コメちゃん、こんばんは!

ちょっぴりお返事遅くなりました。
このお返事は、本日”彦にゃん”のいる街までの出張で
長い旅路の合間に書きました♪
(「彦にゃん」に、年賀状を書くと返事が来るって知ってた?!)

+++++++++++++++++++++++++

あぁ、それにしても改めて鍵コメちゃんの愛あるコメントを読み直すと、真綿にくるまれているような、
それでいて何故かその言葉がけ一つ一つに姿勢を正したくなるような気持ちにさせられました。

まずは、この馬鹿みたいに長いレポに読んでくれたみたいで嬉しいです(涙)
多忙な日常が戻って時間が経過すると、悲しいかな、感動は微塵も変わらない筈なのに、
日常の自分を変えるほどまでの感動だったという認識がだんだん薄らいでいきます(苦笑)。
だから、ただただ、刻みつけるような気持ちでひたすらに書いたんだなぁ。

そうそう。
先日出向いたライブは、鍵コメちゃんの街の近くで行われたのです!!
鍵コメちゃんも「行きたいな」って思ってたの?!
そう言えば小田さんのクリ約は毎年欠かさずに観ているって言ってたよね??

>時に悲しく何より誠実で真っ直ぐな歌詞と、誰も知らない場所の
>せせらぐ川の音のように澄んだ声

そうよねぇ・・・、いやぁ、こんなに小田さんが好きな私が
そう感じる人の気持ちを笑うもんですか(涙)
「誰も知らない場所の」→ここが琴線に触れて何度も読んだ。

>今回コンサートに行ってみたかったのは
>その頃を思い出したかったんだろうかね、私は・・
>でも、Megちゃんのこの日のブログを読んでると
>「みんなで分かち合える」事を感じる為に
>行ってみたかったなぁと思った私です。

うんうん。ライブではオフコース時代の曲もいっぱいやってくれたよ。
でも、私も「あぁ、これ懐かしいなぁ」とかって思うより、
30年くらい前に彼が作った曲を、今、こうして大きく時を超えてなお
新鮮に聴いてしまうことに驚いちゃう。

昔はライブでも、小田さん”しか”見ていなかった私(笑)
今は、バンドの人たちにも精一杯拍手を送りたいし、
彼を裏方で懸命に支える大勢のスタッフさんや
自分と同じように彼の歌が大好きな人たちの笑顔にまで感動するように。

今回のチケットはSatoさんが間際の間際まで執念を燃やして取ったA席でした。
殆ど取れないだろうと期待していなかった私は、
(というか、取れたら遠くまで行かなくちゃいけないし:苦笑)
「本当に行くんだろうか、私?」とか思っているうちにその日を迎え、
「あぁっ、行かねば~!」と寝不足のまま飛んでった(笑)
そのくらいの無防備さだったので余計に小田さんの噛みしめるみたいな一言一言が染みて、
命さえ削っていくような歌声に涙が止まらなかった・・・。

今日くらいになって何だかしみじみと思いますね。

当然、間際になって「ね、あの街に行くならさ、mちゃんに会えるかもね?」
って気持ちが私たちには過ぎってはいたので。

もしも、もしも、鍵コメちゃんもライブに参加することができて会場で緊張の初対面!
という大きなドラマが加わっていたら・・・
一緒に観たライブの感想をどんな風に言い合ったりしたのかしら・・・・
ずっと前から言葉を交わしていたけれど、初めて会う人と分かち合うってこと。
それは、今思うとものすごく興味のあることだわ。

東京からはそれなりの距離だけれど、私んちからは、大阪まで出ちゃえば
想像したより、うんと近かったことにびっくり!
極度にシャイな男子は置いておいて(笑)ひょいって会いに行ける距離なんだと
奇妙な自信がわきました。
今日の彦根出張のほうがよっぽど面倒で時間がかかったわ(苦笑)

>Satoさんのブログで動くめぐちゃん見たよ!

ありがとうね(照)
私も初めてケータイ動画でひらひらって笑顔で手を振ってくれる
「動くmちゃん」を見たときには、「おーーーっ!!」って、
ちょっと感激したことを思い出しました。

鍵コメちゃんが書き込んでくれた感想を、半日がかりであれを作ったらしいSatoさんに伝えたら
「愛を感じた」ってとても喜んでおりました(笑)


あの日はライブ明けで半放心。明らかに疲れが抜けないままの私たち。
荷物も行くときより2倍まで重く感じてしまって。
「はぁ(ため息)、もう家に帰って昼寝がしたい・・・」などと呟く
不届きな私をあの公園まで連行し?撮影をした彼の執念ですねぇ。

まさか、あんな風に公開するカットになるとは思ってなかったし。
もはや、いつ何を撮ってるのかもよくわかんなかったけれど(→いつも以上に黙々と作業)
できあがったのを観たとき、こう言っては何ですが結構、感心しました(笑)
あのジメジメとした夏の日を、あんな風に爽やかに編集し切ったことには
「へーっ、上手いこと作っちゃったなぁ」って。
ちなみに、ちょっと足りない風景カットや、最後の小鳥が飛び立つシーンは
お休みだった月曜にわざわざ改めて外に撮りに出たらしいのよ♪

「mちゃんが観て楽しんでくれたら本望じゃ!」と、さらに次に燃えている様子だったので、
またよければ観てください♪
  1. 2011/08/04(Thu) 00:55:31 |
  2. URL |
  3. Meg #T0ca3UNU
  4. [ 編集 ]

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